出光興産と昭和シェル石油の合併計画に出光創業家が反対している問題で、全国の販売店が仲裁に乗り出す。9月14日に一部地域の販売店が出光昭介氏や出光正和氏ら創業家、および出光興産の月岡隆社長へ再度話し合いを進めるよう促す具申書を送付した。この動きが他の出光販売店へ広がっており、今後同様の文書が全国の販売店から送られるとみられる。

出光興産と昭和シェル石油の合併計画は、出光創業家の反対で頓挫している(写真:ロイター/アフロ)

 「現今、私どもが誇りとし、守ってきた『出光』の名が巷間にて醜聞として流れ、今まさに地に墜ちようとしています」──日経ビジネスが独自に入手した具申書には、出光と創業家の話し合いが進展しないことに対する販売店の強い不満が記されている。にらみあいの状況が進めば合併で得られるはずだった競争力は失われ、スキャンダルの影響から顧客離れが起きかねないためだ。

 ガソリン需要の先細りや過当競争で厳しい経営状態のガソリンスタンドが多い中、こうした状況は看過できなかった。ライバルのJXホールディングスと東燃ゼネラル石油が順調に合併作業を進めていることも影響した。

 出光には各地域の販売店で構成する出光会、および出光会を束ねる「全国出光会」がある。9月26日に全国出光会の臨時理事会が開催される。その後、出光の販売店全体の方針が示される予定だ。具申書では「今回の業界再編による市場の正常化は、(中略)かねてより渇望するところでした」と出光興産と昭和シェル石油の合併に賛成の立場がハッキリと示されている。

 各販売店の具申書や出光会による働きかけで、出光と創業家が話し合いの場を持つかは不明だ。しかし、「話し合いが受け入れられなかった場合は、出光から離反する販売店も出かねない」(出光の販売店)との見方もあり、事態が動き出す可能性はある。