ダイムラーはEVのコンセプトモデル「EQA」も発表した
ダイムラーはEVのコンセプトモデル「EQA」も発表した

 従来は、顧客データの管理は、販売したクルマに紐付いており、顧客のアプリの利用動向までは把握できなかったという。未来のカーシェアのように、顧客の好みにあわせたサービスを提供するためには、「どのクルマが売れたか」ではなく、「どの顧客が何を利用したか」という情報管理が不可欠。「顧客ごとの情報を今から蓄積し、今後のモビリティサービスに役立てる」とダイムラーの経営戦略部門でバイスプレジデントを務めるウィルコ・スターク氏は言う。

スーツでなく、ジーンズでプレゼン

 EV車の開発は、昨年専用ブランド「EQ」を発表。2022年までに「メルセデス・ベンツ」すべてのラインナップにEVモデルを投入することを表明している。完全自動運転についても、自動車部品メーカー大手の独ボッシュと共同開発が進んでいる。

 ダイムラーは、「コネクテッド(Connected)、自動運転(Autonomous Driving)、シェアリング(Sharing)、そしてEV(Electric Vehicle)の4つの要素を組み合わせた総合力が、将来の自動車メーカーの競争力を左右する」と見ている。同社はこの4つの頭文字をとって「CASE(ケース)」と呼ぶ戦略を企業変革の合言葉にしている。

 「4つの要素が同時に高いレベルで実現できなければ、次世代のモビリティ競争では勝ち抜けない」とダイムラーのスターク氏は言う。

 ダイムラーの変化を象徴するように、ディーター・ツェッチェCEO(最高経営責任者)も、最近はスーツではなく、ジーンズとスニーカー姿でプレゼンテーションに登壇するようになった。旧来の堅い、自動車メーカーから、よりオープンなイメージを演出するためだ。「些細に見える変化だが、現場に与える影響は小さくない」とスターク氏は言う。戦略と共に、ダイムラーの企業文化も変わりつつある。

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