セルフ精算にも対応
回転率を高める工夫としては、会計作業の効率化もある。
回転ずしでは、スタッフが客の食べた皿を数えて、レジカウンターで精算する。スシローでは、皿をカウントする作業を省力化するため、携帯の読み取り機を導入。皿に埋め込んだICチップを読み取ることで、迅速な作業が可能になる。
すしだけでなく、ドリンクなどタッチパネルで注文した商品は、すべて携帯端末に記録されており、こうした情報がまとめられたバーコードの会計札をスタッフが客に渡す。レジカウンターにはセルフレジも導入しており、自身でバーコードをかざしての自動会計もできる。これらは、混雑時の会計待ちを解消する取り組みでもある。
同社によれば、こうした省力化により、客の滞在時間は5%程度短縮されるという。都心で徹底的に効率を追求するために導入した技術だが、郊外店での導入も十分可能だろう。
価格については、テナント料や人件費など運営コストが高いことから、1皿120円と通常のスシローよりも高めに設定した。「効率を高めた上で利益を取れるぎりぎりの価格」と水留社長は説明する。
「横展開が可能な都心の成功モデルをつくる」
都心型の1号店となる「南池袋店」は、JR池袋駅から徒歩5分ほどの立地にある。人通りはあるものの、駅前一等地ではない。だが、それは今後のチェーン展開を考えてのことだという。「南池袋店のような立地は都心には多くある。まずこの店で成功モデルを作って横展開していく」(水留社長)。
あきんどスシローは、年30~40店ペースで新規出店を進め、今後3年間で100店をオープンさせる計画だ。2017年9月期中には、これまで店舗がなかった青森県・島根県へも進出する予定。当面、これまで通り郊外型店舗の展開が中心となり、「都心型店舗が100店のうち50を占めるというようなことはない」(水留社長)。とはいえ、都心型店舗も着実に展開を図っていく方針で、既に次なる出店先の検討に入っているもようだ。
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