米有力エージェントと太いパイプ

幅広いスポーツで吉本の存在感が増す

 吉本の手によって海を渡った野球選手は多い。現役大リーガーでは青木のほか田沢純一、OBでは石井一久、斎藤隆、黒田博樹のほか、日本でプレーを続ける福留孝介もそうだ。吉本が米国移籍に強いのは、現地の有力エージェントであるクリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー(CAA)との間に太いパイプがあるからだ。米大リーグへの移籍は、どこのエージェントに交渉を頼むかが重要なポイントになる。

 年俸だけでなく、通訳、日本との往来など多くの条件面で選手に有利な契約を勝ち取れるかどうか、エージェント次第だ。吉本が提携するCAAは、米国トップエージェントのひとつだ。CAAの野球担当ネズ・バレロ氏は、「吉本とは10年に渡り信頼関係を築いてきた。今後も野球はもちろん、他のスポーツでも協業できるだろう」と語る。

 吉本による米移籍の草分け的存在の石井は、「吉本は事務的な手続きや生活面の支援だけでなく、石井一久というブランドが、どうすれば米国で最も輝くか、常に考えてくれた」と振り返る。石井は引退後、吉本の契約社員となった。野球解説者としてテレビなどで活躍している。吉本は現役選手でも岸孝之(楽天)、涌井秀章(ロッテ)といった有力選手のマネジメントをしている。吉本と野球とのつながりは、元ヤクルト投手の小坂勝仁が吉本副社長の岡本昭彦と親交があり、スポーツ部門の新設時に協力したことがきっかけだ。以来、15年になる。