新型では、日産が持つ最新技術をてんこ盛りにした。昨年発売したミニバン「セレナ」に搭載した自動運転技術「プロパイロット」に、「プロパイロット パーキング」と呼ぶ新機能を追加した。これで、ボタンを押すなどの簡単な操作で狙った場所に自動駐車できるようになった。アクセルだけで加速・停止できるワンペダル機能「e-Pedal(イーペダル)」も搭載している。これら全てにおいて「乗ってもらえば分かるが乗り心地は抜群」(同)というのだ。

バッテリー事業を売却した理由

新型リーフの床下に搭載しているバッテリー
新型リーフの床下に搭載しているバッテリー

 日産には、2010年に初代を発売して以来、世界累計販売台数が約28万台に上る「量産EVのリーダー」(同社)にリーフを育てたという自負がある。他社よりも長い時間をEV開発にかけてきたからこそ、分かったこともあるという。

 「初代では、バッテリーやインバーターといったEVに不可欠な要素技術の開発が必要だった。だがその後、(開発の主軸が)どうクルマを走らせるかという『制御』の部分や、その先にある『ソフトウェア』などに移ってきた」

 日産は8月8日、車載用バッテリー事業であるオートモーティブエナジーサプライ(神奈川県座間市)の株式の51%を中国の投資ファンドに売却すると発表している。この判断についても西川CEOは、「バッテリーの容量は今後、(別の技術が確立するまでは)どのメーカーもほぼ同じになるため、バッテリーで競争力を出す時代は終わるだろう。だからバッテリーの製造そのものはパートナーと組んでやればいい。それよりも今、重要なのは、制御やソフトの技術力を高めて、どう自社の特徴を出すか。新型リーフでもその部分の開発の陣容を厚くしたし、今後もさらに厚くしていく」と語った。

 西川CEOが絶賛する新型リーフの乗り味は、果たして消費者に受け入れられるのか。発売後の売れ行きに注目が集まる。

 

《日経ビジネスでは9月11日号から「日産自動車 新型『リーフ』開発ドキュメント」を連載します。「EV王者」の座を守り抜くために挑んだ開発の舞台裏を描きます》