もやし販売もアジア展開にらむ

おやつカンパニーは海外展開に一層力を入れるわけですが、国内の食品市場の動向はどう見ていますか。

カーライル・ジャパンの富岡隆臣マネージングディレクター

富岡:業界への投資はこの10年で非常に拡大している。日本がある程度大きい規模の市場だったため、これまでは国内に事業の主軸を置いて投資してこられた。技術力は総じて高く、オーナー系の中堅企業が多く生き残ってきた。

 潮目は明らかに変わりつつある。ここ数年の人口減少などを受けて、国内市場では発想の転換が必要になっている。胃袋の数の成長を取り込むのではなく、限られた胃袋の中でシェアをどう上げていくかの勝負になってきた。

食品で他に有望な企業は。

富岡:今年3月、もやし・カット野菜の製造販売で西日本大手の九州ジージーシー(大分県竹田市)に投資した。日本で農業は絶対に必要な産業で、競争力を高めないといけない。計画生産ができることなど、農業の工業化は重要なテーマ。それが進む企業として投資先に選んだ。

 同社は1990年に設立。もやし「名水美人」は日本で最も売れているブランドで、市場シェアで10%程度を持つ。現在は国内の中国・四国・九州地方で事業展開していて、食品スーパーが主な取引先だ。高品質のもやしの生産に適した地下水を活用できるほか、自動化設備を導入し生産性も高い。投資後、外部人材を副社長に起用するなどの取り組みを進めている。

 小家族化の中、もやしやミックス野菜などのカット野菜商品は需要拡大が見込めて成長領域だ。現在は大分県と岡山県に合わせて4工場を持つが、ラインの拡張や新工場の建設を通じて規模を拡大する。

 中長期の目標として台湾や、香港など中国で、高品質のもやしを売り込みたい。経済成長や小家族化の中で、もやしやカット野菜の需要は日本と同様に拡大が見込めるからだ。おやつカンパニーのスナック菓子に続く食品の成功事例にしていきたい。