新生ファミリーマートが9月1日、サークルKサンクスとの統合で始動した。規模では業界2位に躍り出るものの、商品力や店舗ごとの「稼ぐ力」では首位セブンイレブンとの差は大きい。今回の経営統合を主導し、9月1日に新たな持ち株会社、ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)社長に就いたのが上田準二社長(前ファミリーマート会長)。日経ビジネスの単独インタビューに応じ、規模拡大を収益力の向上につなげる道筋を語るとともに、加盟店との間に「家族(ファミリー)的」な雰囲気が強かった組織風土から脱皮して、稼ぐために各店舗と本部が規律をもって結束するようなチェーンに変革する考えを示唆した。

9月1日の記者会見では「規模の拡大は質の向上に直結する」と強調していました。

上田準二氏。1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に社長就任。2013年に会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの社長に就任。(写真:的野弘路)

 コンビニはシステム産業です。ある地域に集中して店舗があれば、その地域では商品を積んだトラックの配送時間や距離を短くできる。逆に、店舗の少ない地域ではトラックは長い距離を走らないといけません。すると、たとえば店舗におにぎりを届けられる回数が減り、欠品が増える。規模が小さいと、お客さんにとってのお店の「質」は下がるのです。

 規模は、商品力を上げるうえでも重要です。たとえばラーメン。もっちり感、つるつる感のある麺を実現したいとします。我々は食品メーカーに「こういう商品を作ってくれ」と頼みますが、そのために食品メーカーは新しい生産設備を導入しなければいけない。「ファミマは1日にどれだけ発注してくれるんですか」と聞かれたとき、規模が大きいほうが交渉を有利に進められます。それから今後は店頭の情報端末を使って、単なるモノではなく、様々なサービスを提供していきますが、コンビニのこうした情報投資でも、規模があれば効率が高まるのです。

単純合算で店舗数は1万8000店を超えます。チェーンの店舗政策のうえでも、規模がメリットになりますか。

 住環境や商習慣の変化で、コンビニに適した立地条件は変わっています。規模が拡大することで、店舗の出店や閉店の自由度が増すでしょう。今回のような統合がない前提で、店を多数しめれば、規模はどんどん小さくなりますが、統合があるので規模は維持できるのです。立地条件の変化というと、例えば、最近では地方都市の駅前でシャッター街が増えていますが、通勤客がいなくなったわけではないのでコンビニが求められている。規模があれば、全国に配送センターや(食品の)の生産工場を満遍なく整備でき、需要の変化に応じて店舗の再編を進めやすくなります。

加盟店も本部も努力が必要

サークルKサンクスとの統合を機に、店舗の稼げる力を強化する方針です。

 まずは1店舗あたりの1日の平均売上高(日販)を高めたい。何も(日販が業界トップの)セブンイレブンを目標にしてというわけではないのですが、できるだけ早く60万円まで引き上げたいと考えています。

 加盟店に必要なのは、接客サービスの向上と清潔な店づくり、それからお客さんが欲しい商品を、欲しい数だけ、欲しい時間帯に揃えることです。こうした努力を徹底できているかどうかが、セブンイレブンとの日販の差のひとつの要因になっているのです。もちろん一方で、本部にも売れる商品を供給する責任があります。