スポーツウエアと下着という異色のコラボが誕生する。「デサント」「ルコックスポルティフ」「アリーナ」「アンブロ」などを展開するデサント(東証1部、石本雅敏社長)と、下着大手のワコールホールディングス(HD、東証1部、安原弘展社長)が包括的な業務提携を結ぶことが、日経ビジネスの取材で明らかになった。

 まずは業務提携だが、いずれは資本提携、そして経営統合も視野に入れているという。2018年3月期の連結売上高を合算すれば3400億円に迫るアパレル企業が誕生するかもしれない。

デサントはスポーツウエアに強みを持つ(写真:朝日新聞社)

 包括的業務提携の内容としては、スポーツインナーやスイムウエアなどで両社の強みを持ち寄った女性向け新商品の共同開発などが考えられる。加えてEC(電子商取引)サイトの相互乗り入れや、両社の海外拠点の相互活用によるグローバル展開の強化なども進められるだろう。提携が一段と深化していけば、いずれは物流網の共通化、工場の共同使用なども視野に入ってくる。

 両社が取り扱う商品は重複する分野がほぼなく、補完関係が強い。海外販売を見てもワコールは欧米に強く、デサントはアジアに足場を持つ。双方が持つブランドを取り扱えば、グローバルで販売増につなげられるメリットもありそうだ。

ワコールは女性用下着の大手企業(写真:共同通信)

 相乗効果を引き出しやすそうな絶好の組み合わせはいかにして生まれたのか。

 実はこの背後には、伊藤忠商事の存在があった。伊藤忠が両社の提携を取り持つといった関係ではない。今春時点でデサント株を25%握る筆頭株主の伊藤忠はデサントに事実上の買収を提案したものの、デサントがこれに反発。対抗策としてワコールをホワイトナイト(白馬の騎士)に選んだのだ。