質屋アプリとは言わせない

荷物を送る人と返金する人、実際にどっちが多かったのですか。

光本:今のところ98%の人が査定されたアイテムを送る、つまり買い取りを選択しています。15%のキャンセル料を支払って返金した人はわずか2%でした。この割合がどうなるかも最初分からなかったのですが、利用者のニーズがほとんど買い取りであることが、これではっきりしました。なので、再開するあたり、15%のキャンセル料を無料にしました。それと、94%の方が査定から1週間以内にアイテムを発送してくださったので、取引期間ももう少し短くできると考え、2カ月から2週間に縮めました。

え、ということはもう「質屋アプリ」ではないのですか!

光本:サービスを始めた当初も今も質屋とか貸金ではなく「アプリを通じて品物を買い取り、査定額を瞬間的に利用者の口座に振り込む」というコンセプトは変わっていません。査定から商品発送まで2カ月間の猶予を与えたのは「やっぱり返金するから売った商品を返してもらいたい」というニーズもあると考えたからです。

 我々もビジネスをやっています。考え直した結果、取引をキャンセルするとなった場合は機会損失に当たるわけですから、キャンセル料はその分いただかなければならない。それが15%だった、というだけです。

 一方で、「商品を返す」という選択肢を設けたがゆえに、結果的に15%のキャンセル料を含んだ返品の仕組みが「質屋っぽい」「高利貸しと変わらない」「手数料が高すぎる」というネガティブなコメントや評価につながったのも事実です。加えて、実際にサービスを始めると返金して商品を返してもらう人はほとんどおらず、たったの2%でした。だったらキャンセル料自体、なくしてしまえと。

なるほど。8月24日の再開に当たり、サービスの変更点はほかにありますか。

光本:口を開けていたらいくらでも現金が出ていくことが目に見えていますので、キャッシュ化できる金額(現金化できる金額)の上限を定めることにしました。月間3億円、つまり1日1000万円を上限に設定することで、キャッシュ化する原資や届く荷物の調整をしやすくしました。利用者には、あとどれくらいキャッシュ化できる残高が残っているか、可視化できるバーをアプリの中に設けました。キャッシュ化できる残高は、サービス開始後の状況を見ながら徐々に増やせればと考えています。

キャッシュ化できる残高が表示される
キャッシュ化できる残高が表示される
[画像のクリックで拡大表示]

写真一枚で買い取った物は、それなりの値段で売れるのでしょうか。そもそも御社は、儲かるんですか?

光本:今この会社が存続しているという事実を見れば、儲かっていると判断していただいてよいのではないでしょうか。我々の買い取り価格はリスクを見込みながら二次流通価格(ブックオフやヤフオク、メルカリ等での取引価格)よりも安く設定していますので、その分利幅が大きくなりますよね。ですから、本当にそれなりの値段で売りたい人は、他のサービスを利用すると思います。

 ただ、最近ネット上で「メルカリ疲れ」という言葉が流行っていることからも分かるように、商品を売るためにきれいに写真を撮る、購入者とやり取りする、といったことすら面倒くさいと感じている人が増えています。「査定額が安くてもいいから即換金したい」「売却までの手間をとにかく省きたい」といったニーズがすごく多い。CASHが爆発的にヒットしたのは、よりカジュアルに、よりスピーディーに現金が手に入るサービスが今までなかったからではないでしょうか。

次ページ メルカリ疲れの拡大、少額資金需要は大きい