これらの特徴的なサービスを実現できたのは、大江戸温泉を傘下に持つ米投資ファンド、ベインキャピタルの力によるところも大きい。ベインは2015年3月に同社に出資。食材の品目の見直しや共同購買の仕組み作り、リピーター獲得策の構築などをサポートした。すかいらーくやドミノピザ・ジャパンなど、外食企業を中心にしたこれまでの豊富な投資、再建の実績が生かされている。

 国内では元気で余暇を楽しむシニア層が増え、温泉旅館の需要は高まりつつある。訪日外国人の需要も追い風だ。だが、全国に約1万4000軒ある旅館の多くが家族経営で1施設のみを運営する。平日の利用客数は少なく、土日でも挽回しきれない。平均客室稼働率が50%を割って赤字続きの旅館も多いという。大江戸温泉は、運営やサービスを効率化し手頃な価格で提供すれば、成長余地は大きいとみている。

 大江戸温泉は今後、地方の高級旅館を中心に取得。半年ほどかけて改装、再開業した後、旅館をREITに売却して資金を調達し、次の旅館を取得するサイクルで成長を図る。経営権の取得に伴って前のオーナーは退任するが、従業員はそのまま引き継ぎ、大江戸温泉のノウハウを生かして再教育。改装後の施設で活躍してもらう。

 地方の温泉旅館の取得、活性化事業は、カラオケチェーン「歌広場」運営会社と同じグループの伊東園ホテルズが展開するほか、西日本が中心の湯快リゾートも手掛ける。大江戸温泉はベインキャピタルのサポートのもと、REITを活用したビジネスモデルで他社と差別化を図り、成長を目指している。