全国で温浴施設などを手掛ける大江戸温泉グループが、温泉旅館に特化したREIT(不動産投資信託)を組成し上場する。国内初「温泉REIT」のスキームで描く成長戦略とは。

大江戸温泉グループは「温泉REIT」の組成・上場で成長を目指す。写真は運営する温浴施設「大江戸温泉物語」(東京都江東区)

 大江戸温泉は2003年、江戸開府400年を記念して開業した温浴施設「大江戸温泉物語」(東京都江東区)の運営からスタートした。江戸の町にタイムスリップしたかのような雰囲気を味わえる温泉テーマパークとして、国内外の観光客を中心に根強い支持を集めている。

 2007年からは、経営が苦しく事業承継にも悩む地方の温泉旅館などを取得、活性化するビジネスモデルで事業を拡大してきた。現在は全国で31施設を保有し、年間で延べ約520万人が利用する。2016年2月期の売上高は前の期比8%増の382億円。ここ5年で8割伸びた。

まず9施設を売却

 大江戸温泉はREITの「大江戸温泉リート投資法人」(東京都中央区)を設立。同投資法人は7月29日、東京証券取引所から上場承認を得た。8月3日から2週間程度かけて投資家を訪問し需要を探る。機関投資家や個人など幅広い層の投資を見込む。上場は8月31日を予定している。温泉施設に特化したREITの組成・上場は国内初で、世界でも例がないという。

 同投資法人はまず、上場で調達した資金を使い、大江戸温泉が保有する温泉旅館を取得。施設から得る収益を投資家に分配する。大江戸温泉はREITへの物件売却で得た資金をもとに、保有する他の施設の改装や、新規物件の取得に充てる。

 大江戸温泉は「ホテルレオマの森」(香川県丸亀市、237室)や、「あたみ」(静岡県熱海市、70室)など9施設をまずREITに売却する。ホテルレオマの森は隣接するテーマパークに波のプールを導入。あたみは部屋数を増やすなど、改装を通じて集客力が高まり、安定した収益が見込める。同社は今後も、改装した施設を順次REITに売却する方針だ。