二階氏は中国との関係が良好で、憲法改正には慎重姿勢と、安倍首相とは政治信条や目指す方向性の違いもある。

 それでも安倍首相が二階氏を幹事長に起用したのは、党内の意見が割れる場面で二階氏が安倍首相の側に立ち続け、谷垣氏同様に安倍首相の政権運営をバックアップしてきたからだ。

早くも加速する「総裁延長論」

 「二階さんは安倍首相に反旗を翻すこともなく、公明党とのパイプもある。党内ににらみを利かせ、調整役として安倍首相も信頼している」。安倍首相の側近はこう話す。

 3日の会見で、安倍首相は二階氏を「自民党でもっとも政治的技術を持っている人だろう」と評して見せた。

 また、二階氏は小池百合子東京都知事との関係も維持している。東京五輪・パラリンピックの成功に向け、自民と小池氏との関係修復に向けた軟着陸を図る役割を期待されている面もある。

 さらに、高齢ということもあり、二階氏が「ポスト安倍」に意欲を示していないことも決め手となった。幹事長に次期総裁候補と目される人物を起用してしまえば、実質的に後継総裁レースの火ぶたが切られ、安倍首相の求心力が低下しかねないためだ。

 安倍首相は2018年9月までの自民党総裁任期の延長を視野に入れている。会見では「任期延長は全く考えていない」と話したが、既に総裁任期延長に理解を示す発言をしていた二階氏の下、党内で長期政権への足場を固めたいとの思惑が透けて見える。

 二階氏もそのあたりは十分に心得ている。3日には早々と総裁任期延長を検討する機関を設置し、年内をめどに結論を出す意向を示した。

 一方で、自民内では二階氏の影響力拡大への懸念や、公共事業増加の旗振り役を任じる姿に「古い自民党への回帰の印象を持たれてしまう」といった声も挙がっている。安倍首相と二階氏がこれまでと同様に、慎重にお互いを立てながら実利を取る関係を維持できるかがカギとなりそうだ。