その文脈で考えれば、セブン&アイがニッセンの完全子会社化だけでなく、百貨店事業の追加リストラも決めた意味は大きい。

 セブン&アイは2日、2017年2月末をめどに西武八尾店(大阪府八尾市)と西武筑波店(茨城県つくば市)を閉鎖すると発表した。八尾店は2015年度までに10年連続、筑波店も同4年連続の赤字を計上。いずれも売上高はピークだった1991年度の約4~5割に落ち込んでいた。

 「今回の追加で、赤字店舗がなくなる。一連のリストラにはメドがつく」。セブン&アイはそう説明するが、実は3月に発表した西武旭川店とそごう柏店の閉鎖でも「リストラにメドがついた」と説明していた。井阪氏は今回、聖域なくリストラは断行するという姿勢を改めて社内外に強調した格好になる。

 ニッセンほどではないとはいえ、そごう・西武も足元の業績は厳しい。2016年2月期は売上高こそ7907億円と前年同期比で横ばいだが、営業利益は27.5%減の74億円。同年3~5月期も衣料品の不調などで売上高が前年同期比5.6%減。営業利益にいたっては同1300万円と、赤字すれすれの水準まで落ち込んでいる。セブン&アイが2006年にそごう・西武(当時のミレニアムリテイリング)を買収して以降、今回まで累計の閉鎖は11店になるが、1年間で4店舗の閉鎖を発表したのは初めてだ。百貨店事業で残る店舗は19店。今度こそ、業績改善の道筋を示せなければ、百貨店事業も売却対象になりかねないだろう。

 低迷が続くイトーヨーカ堂や、13年に買収を発表した高級衣料店バーニーズジャパンの扱いなど、ほかにもセブン&アイの行く手に待ち構える課題は多い。井阪社長は10月上旬をめどに、グループ全体を見渡しての構造改革プランを公表する見通し。中核事業であるセブンイレブンの収益が安定している間に、実効性のある第2歩、第3歩を示せるかが問われている。