この構想をシスコなどとの提携とともに具体的に発表したのが今年4月。シスコ以外では、米制御機器のロックウェルオートメーション、ベンチャー企業でAI(人工知能)に優れた技術を持つプリファードネットワークスと共同で開発を進めてきた。開発は順調に進捗しており、今年の12月末にはフィールドシステムを発売する予定だ。

 AIについてはNTTでも当然取り組んでいる。「AIといっても(細かく機能別に分類すれば)いろんな種類があり、得意なところを持ち寄って、トータルで力を発揮できる組み合わせを提案したい」とNTTの研究企画部門を率いる篠原弘道副社長。NTTにとっても、ファナックが作ろうとしている連合の「最後の椅子」に座れたことの意義は大きい。実際の現場での採用実績を積むことで、技術開発や他業界の顧客開拓に弾みがつく。

抜群の競争力を誇ってきたファナックの製品
抜群の競争力を誇ってきたファナックの製品

優位性を保つには連携が不可避に

 ファナックはこれまで自社の製品の競争力を徹底的に磨くことで、抜群の収益力を維持してきた。株式市場などへの情報発信も積極的とはいえないが、それでも収益力という結果を示すことで自社への批判を黙らせてきた。

 だが時代は変わりつつある。IoTを前提とすればファナックが誇る個々の製品の魅力だけではいずれ戦えなくなる。自社にない技術を持つ外部の優れたパートナーと組む気があるのか、そして希望する相手に認めてもらえるのかが勝敗を決する。

 矢継ぎ早に連携先の獲得に動いているファナックを駆り立てるのは危機感だろう。