報道各社の世論調査で内閣支持率の下落が続く中、閉会中審査で低姿勢に終始した安倍晋三首相。早期の立て直しは見通せないが、窮地の首相に助け船を出す形となっているのが野党第1党、民進党の混迷だ。蓮舫代表は執行部の刷新などで局面の打開を図る構えだが、茨の道が待ち受けている。

民進党の顔として期待されていた蓮舫代表だが…。(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

 「口調だけ丁寧にするのはやめてほしい。国民が疑惑を持っているのは、記録がなくなり、記憶がなくなり、政権側にいる人はみんな口をつぐみ、政権外の人が証言をしたら個人攻撃し、言ったことは言っていないと上書きするからだ」

 7月25日の参院予算委員会の閉会中審査。質問に立った民進党の蓮舫代表はここぞとばかりに安倍晋三首相を責め立てた。

「低姿勢」に終始した安倍首相

 学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題などを巡って衆参両院の予算委で2日間にわたって開かれた閉会中審査。実現したのは安倍首相の強い意向が働いたためだ。

 高い内閣支持率と国政選挙4連勝という選挙の強さが「安倍一強」の源泉だった。それが、安倍首相や側近の言動などへの不信感から支持率は下落が続き、7月2日投開票の東京都議選の自民党の大敗で「常勝神話」も崩れた。

 周辺には閉会中審査への出席に慎重な意見も多かった。それでも、局面の打開を図るには安倍首相の説明を求める野党や世論の声に配慮し、低姿勢ぶりを示したほうが得策と安倍首相自身が判断した経緯がある。

 こうした事情から、これまでのような強気の姿勢を封印した安倍首相に対し、蓮舫氏ら野党側は舌鋒鋭く迫った。加計学園の獣医学部新設計画を把握した時期が今年1月20日だったとする安倍首相の答弁を巡り、過去の答弁との整合性について安倍首相が謝罪と訂正をする場面もあった。だが、見せ場と言えるのはこれぐらいだった。

 攻める野党側に決め手はなく、政府側は「記憶がない」「記録がない」といった答弁を連発し、水掛け論が続いた。「加計ありき」だったのか、安倍首相や首相官邸の関与はあったのか、など問題の根幹について具体的な成果はほとんどなかった。

 学部新設計画を把握した時期などについて答弁が揺らぐ場面もあった安倍首相だが、周辺には「自民党議員にしっかりと質問させ、事実関係を整理して見せたのは良かった」とほっとした様子で語っている。与党側は説明責任を果たしたとして、この問題などを巡り「打ち止め感」が広がることを期待している。