ファーストリテイリング傘下のユニクロが、国内のインターネット通販(Eコマース、EC)の売り上げを着実に伸ばしている。7月14日に発表した2016年8月期の第3四半期(3~5月)では、ネット通販の売上高が105億円、対前年同期比40.6%増加した。期初から6か月間の累計では253億円に達している。値上げで遠のいた顧客を店舗に呼び戻そうと、価格引き下げなどに取り組んでいるが成果は道半ばの状況。ネットという新たな販路は、同社にとって心強い下支え役に育ってきた。

 ファーストリテイリングが14日発表した2015年9月~16年5月期の連結決算は、売上高に相当する売上収益は前年同期比6%増の1兆4346億円、営業利益は23%減の1458億円。一方、第3四半期の3カ月間の連結業績の実績は、売上収益が前年同期比6.2%増、営業利益は同18.6%増で増収増益となった。

 屋台骨を支える国内ユニクロ事業は、16年3~5月期の営業利益は前年同期比20%増の291億円と堅調だった。春から開始したEDLP(Every Day Low Price、毎日がお買い得)戦略が功を奏して、売上高粗利益率が改善した。週末に限られた商品を大幅値引きする手法を抑制して、平日も含めて安定的な低価格で売ることを目指した。

 昨年までの2年間で商品を値上げしてきたことで客離れが起きたこともあって、商品の通常販売価格を引き下げ、並行してEDLPに移行することで、利益を確保しようという戦略だ。ここまで一定の成果は上げているといえる。

 為替の影響で連結通期の業績は下方修正としたものの、国内事業の利益率改善によって発表翌日の15日、同社株は急騰。19日も続伸した。

国内ユニクロ事業は16年3~5月期の営業利益が前年同期比20%増の291億円となった(写真:NurPhoto/NurPhoto/Getty Images)

 国内事業の好調について岡崎健グループ上席執行役員CFOは、既存店の売り上げ増加に加え、ネットの貢献を強調した。

 ファーストリテイリングでは、4月に東京都江東区の有明に延べ床面積11万平方メートルの通称「有明倉庫」を竣工。すでに店舗への配送を開始したが、ECについても「間もなく開始する」(岡崎CFO)。秋冬商戦から本格稼働し、翌日配送や地域によっては当日配送を可能にする。今までは、ユニクロのEC配送には2~5日かかっていた。翌日配送開始により、利便性を上げ、ECでの売上高向上を図る狙いだ。