旭化成が大型のM&A(合併・買収)に乗り出すことが日経ビジネスの取材で明らかになった。買収するのは自動車の内装部品を手掛ける米Sage Automotive Interiors(サウスカロライナ州グリーンビル市)で、買収金額は1000億円を超える大型案件になるとみられる。今後も拡大が見込まれる自動車関連分野を強化するのが狙い。旭化成が1000億円超のM&Aを手掛けるのはこれで3件目となる。

 

 Sageは自動車のシート部分などを製造販売する内装材の世界大手で、独BMWや独アウディといった欧米の高級車向けに強い。地元の米国だけではなくイタリアや中国、ブラジル、ポーランド、ルーマニアなど世界各地に工場を持ち、グローバルな販売網を構築している。日本には生産拠点はないが、日本法人は開設している。旭化成からは人工皮革を購入しており、両社は取引先の関係にあたる。

旭化成がEVベンチャーのGLM(京都市)と開発したEVのコンセプトカー。自社の樹脂材料の採用を自動車メーカーに促す取り組みの一環(写真:Bloomberg/Getty Images)

 Sageには現在、米投資ファンドのクリアレイクが100%の株を保有している。旭化成はクリアレイクからSageの全株を現金で取得するとみられる。クリアレイクは2014年に別の米投資ファンド、ゴアーズグループからSageを買収していたが、旭化成に売却することでエグジットする。ファンド関係者によると、今回の旭化成への売却でクリアレイクは一定の利益を確保できるもようだ。