ご当地「一番搾り」人気も補えず

 そして3つ目が、メーカーの競争環境の変化だ。オリオンビールを除く大手4社のシェアを見ると、アサヒのほか、サントリーが前年同期から0.5ポイント上昇し16.0%。サッポロが同0.4ポイント上がり11.9%となった。一方、キリンは32.1%と同2.0ポイント低下。4社の中で唯一シェアを落とした。

 昨年、第三のビール「のどごし」ブランドで糖質やプリン体などを抑えた商品を発売。これらが好調だったことの反動による面もあるが、落ち込みは大きい。主力ビール「一番搾り」で都道府県ごとに原料や味わいを変えた商品を売り出し、人気を集めたものの、全体の落ち込みを補うには至らなかった。ビール類の市場規模の縮小が続き競争が激しくなっている分、ヒット商品の有無によってメーカーのシェアや売り上げが大きく左右される状況となっている。

 書き入れ時の夏本番を迎え、各社はビール販売を増やそうとイベントを独自に、あるいは共同で計画する。気象庁の3カ月予報によると、今年7~9月は全般に気温が高めで、残暑も厳しいと予想されている。暑さを味方につけてビール市場を取り巻く一連の不安を抑え、新たなファンを取り込むことができるか。気が抜けない日々が続きそうだ。