最後まで反対した次男

 15年7月に出光と昭シェルの両社が統合の方針を示して以来、3年もの間、出光の大株主である創業家は反対の姿勢を貫いてきた。ここにきて統合に至ったのは、昨年末から創業家のアドバイザーとして村上世彰氏が付き、創業家を説得したことで流れが変わったためだ。今年4月には創業家と出光経営陣の協議が再開。今回、合意した大株主として名前の出た正和氏はもちろん、日章興産が賛成の立場に変わったことから、代表を務める昭介氏も賛成に回ったと見られる。

 ここで気になるのは、同じく大株主であるはずの昭介氏の次男・正道氏の名前が出なかったことだ。

 会見で月岡会長は「ほかの創業家の大株主が賛成なのか反対なのか認識していない」と口を濁した。「すべてのステークホルダーの共同利益を考えた」と強調した月岡会長からすると奇妙に映る。出光関係者によると、「正道氏は反対の姿勢を貫いている。結論に納得がいかなかったのか、現在は出光社員の立場だが、7月末で出光も退職する」という。

 日章興産と正和氏の持株比率はそれぞれ13.04%と1.16%。「合計で14.2%の賛成をいただければ統合はいける」と出光の丹生谷晋常務は会見で説明した。出光株の1%ほどを保有する正道氏が反対に回ったとしても統合に支障はないという判断だ。

 創業家による会社の所有と経営の分離の難しさを改めて突きつけた今回の出光問題。最後は創業家の兄弟で意見が分かれる形で決着したが、「大家族主義」を掲げてきた出光の歴史を振り返れば、後味の悪さだけが残る。