やや複雑なスキーム

 今回、ヤフーはTOB(株式公開買い付け)で約1割の株式を自社株買いするとみられる。だがそのスキームはやや複雑なようだ。ヤフーがアルタバから直接自社株買いをするわけではないからだ。

 今、検討されているプランはこうだ。アルタバが持つ約1割のヤフー株をソフトバンクグループの子会社で上場を目指している「ソフトバンク」が買い取る。だがこのままだとソフトバンクグループが全体で保有するヤフー株が53%まで高まって過半数を超え、ヤフーの独立性が保ちにくくなる。そのため、ソフトバンクグループはこれまでに保有していたヤフー株の10%相当をヤフーに売却する。ヤフー側からすればアルタバから自社株買いをするのではなく、ソフトバンクグループから自社株買いする格好だ。

 こうすれば、ソフトバンクグループとしてはヤフー株の保有比率はこれまでとそう変わらない。ソフトバンクグループを経由した自社株買い、とでも言えばいいだろうか。なぜこんな複雑な手法が検討されているかは明らかではないが、グループ内での資金融通や税金対策、といった理由が考えられる。

 いずれにしても、発行済み株式の35.6%が売られる、という需給悪化懸念はこれで少し和らぐだろう。しかしまだアルタバは2割以上のヤフー株を抱えたまま。ヤフーは財務が健全とはいえ、残りも全部自社株買いしようとすると4000億円以上の資金が必要になる計算だ。まだまだヤフー株主が需給悪化懸念から解放された、というわけではない。