欠陥エアバッグ問題で経営破綻したタカタは6月28日、都内で債権者説明会を開いた。この日の説明会は報道陣をシャットアウトして行われたが、債権者への取材から、下請け企業に取引継続を強く訴えるタカタの説明の内容が明らかになった。「今後の取引は優先的に支払いができる」「資金繰りに不安はない」──。タカタは下請け企業の不信感を払拭しようと努めていた。自動車メーカーへの安定供給を至上命題とするタカタにとって、取引先を失うことは再建の出鼻がくじかれることにつながるからだ。

 債権者説明会は創業の地である滋賀県でも6月30日に、同時に破綻した地域子会社がある佐賀県で7月3日に開かれる。6月28日の都内の債権者説明会は前日の株主総会と打って変わって、怒号も恨み節も無く穏やかな雰囲気のまま終わったが、債権放棄の負担が重い小規模な取引先がより多く集まるとみられる滋賀と佐賀では、一層丁寧な説明が求められることになりそうだ。

債権者説明会は都内の会議場で開かれた

 債権者説明会は東京国際フォーラム(東京・千代田)が会場となった。開始時間の1時間前の12時に訪れると、会場周辺はロープで囲まれ、警備員やスーツ姿の関係者が仁王立ち。「メディア関係者の立入りはご遠慮ください」と看板が立てられ、ぴりぴりとした雰囲気が漂っていた。12時半に受け付けが始まると、既に待機していた数十人の債権者が会見場へなだれ込んでいった。

 この日の説明会に集まったのは、タカタに部品を納めている下請け企業や金融機関などの担当者約300人。午後1時、冒頭の挨拶に立ったのはタカタの高田重久会長兼社長だった。まずエアバッグの異常破裂事故の被害者に謝罪。民事再生法申請に至った経緯を説明した。その間、わずか3分ほど。最後に「お取引もこれまでどおり継続して頂き、製品の安定供給にご協力頂きたい」と締めくくった。

 その後の説明や質問への回答は代理人の小林信明弁護士が主に務めたが、小林弁護士も「是非取引継続を」と何度も訴えた。この説明会のタカタとしての主眼は、高田会長が冒頭の挨拶の最後に述べた一言に集約されていたといっていい。

 会場内では債権者に対して、資料が配られていた。民事再生手続きの概要などが記された5ページの説明資料のほか、中小企業庁によるタカタ取引先の資金繰りを支援する政策の案内などもあった。説明資料のなかで、下線を引いて特に強調していたのは、民事再生法の適用を申請した26日以降に生じる「共益債権」についての部分だ。共益債権は、25日以前の「再生債権」とは違い、最優先で全額が支払われる。つまり、26日以降に継続して取引をしても、支払いに問題が生じないことを訴えたのだ。

資金繰りは「十分」

 下請けがタカタの資金繰りに不安を感じないよう、完成車メーカーと銀行からのバックアップがあることも繰り返し説明した。完成車メーカーはタカタへの納品から支払いまでの期間の短縮を承認。メーンバンクの三井住友銀行は当面の運転資金として、上限250億円のつなぎ融資枠を設定したという。小林弁護士は「資金繰りの手当ては十分だ」と強調した。