匠大塚のコンセプトは「伝統の『継承と革新・匠のこだわり』」で、店の1階には安土桃山時代から江戸時代初期の有名な絵師、長谷川等伯の名画『柳橋水車図』を構図にした蒔絵箪笥(たんす)の特別展示や、スワロフスキー社の最高級クリスタルを用いたシャンデリアなどが展示されている照明専用ブースがある。2階と3階は中価格帯がメーンで、4階は高価格帯の商品を主体にする。5階はベットやソファに加え、日本の工芸品を扱うコーナーもある。

 勝久氏の長男で匠大塚の社長を務める、大塚勝之氏は「国内外の優秀な職人が作った家具を見せる店舗がどんどん少なくなっており、廃業する職人も多い。当社は彼らを支える役割を担いたい」と話す。

匠大塚では大塚勝久氏㊨が会長、長男の勝之氏が社長に就いている。(4月都内で開いた記者会見)
匠大塚では大塚勝久氏㊨が会長、長男の勝之氏が社長に就いている。(4月都内で開いた記者会見)

初めから販売員がアテンド

 店内には3カ所のインフォメーションコーナーがある。お客がまずそこを訪ねると販売員が店内をアテンドしてくれる仕組みだ。アテンドを断って単独で店内を見ることもできるが「良いものの価値を説明することで、より分かっていただきたい」(同社)とし、接客による商品提案に力を入れる方針だ。

 これは大塚勝久氏が創業者として成長させた大塚家具が、もともと採用していた方式で、原点回帰ともいえる。大塚久美子社長が率いる大塚家具は現在、顧客にまずは自由に見てもらって、タイミングをみて接客するというスタイルに転換しており、匠大塚との違いが鮮明になっている。

 春日部は大塚家具の創業の地であるだけではなく、勝久氏の妻で、現在は匠大塚の取締役でもある千代子氏の出身地でもある。それだけに同社にとって「非常に思い入れの強い土地」(勝之社長)だ。大塚家具も規模は劣るものの、春日部にも店舗を構えている。

 久美子氏が改革を進める大塚家具は、ビジネスモデルの転換に苦闘している。勝久氏は「前の会社とは競争したくない」と話すが、顧客に比較されるのは避けれないだろう。親子対決は新たな局面を迎えている。

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