自ら創業した大塚家具の経営権を巡って長女とのい争いに敗れ会社を去った大塚勝久氏が、再起をかけた巨大店舗を29日、埼玉県春日部市に開く。春日部は勝久氏の父親が桐たんすを作っていた創業の地だ。2月に閉鎖した西武春日部店の閉店跡を買い取って出店する日本最大級の家具専門店で、勝久氏の事業家としての執念がにじむ。

2015年春に大塚家具の経営権を巡る委任状争奪戦で、長女の大塚久美子社長に敗れた大塚勝久氏。自らが会長として立ち上げた会社が「匠(たくみ)大塚」。4月に東京・日本橋に法人向けの店舗を開業したのに続き、29日に春日部本店をオープンする。こちらは広く一般消費者を対象とした店舗で、28日にメディア向けの内覧会を開いた。
「匠大塚 春日部本店」の店舗面積は約2万7000平方メートル。これは東京ドームのグランド面積の約2倍で「大塚家具の有明本社ショールームに匹敵する広さ」(同社)だ。
百貨店閉鎖跡、さらに増床余地
セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武が運営していた、西武春日部店の閉鎖跡に出店。1階から5階までを店舗として使う。地下1階には食品スーパーを誘致する予定で、6階は将来、家具の店舗増床を見込んだ空きスペースで、7階にはレストランを誘致する予定だ。商品は照明、カーテン、絨毯、寝具など約1万5000点をそろえた。

商品は1点当たりの価格が15万円以上の中価格帯の家具のほか、50万円以上になる高価格帯の商品など幅広くそろえた。「国内外の一流品を提供し、価値のある家具には相応の金額を支払える層が、遠い場所からでも買い物に来てくれるような店を目指す」(同)考えだ。
高級品をゆっくり選んで買えるように店内にはいくつもの休憩スペースを用意し、1階にある自動販売機ではドリンクを無料で提供する。
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