MBKパートナーズは2005年に設立。日本・中国(台湾を含む)・韓国で事業展開する企業に投資して、企業価値の向上を図る。1件当たりの投資額は100億~500億円程度(企業価値ベースでは300億~2000億円程度)。運用資産残高は約100億ドル(1兆円程度)と、アジアに特化したファンドとしては最大級の規模だ。2013年2月、「コメダ珈琲店」を運営するコメダ(現コメダHD)に投資した。
今回はコメダHDの支援に携わってきた加笠研一郎代表取締役、池田大輔マネージングディレクター、望月智洋ディレクターの3氏が取材に応じた。加笠氏と池田氏はコメダHDの社外取締役を務めている。
「上場、決めていたわけではない」
3年前、コメダに投資を決めた理由を教えて下さい。
池田氏:私が別の投資ファンドにいた2008年、コメダ創業者の加藤太郎氏ら創業家が保有株を売却しました(株式は投資ファンドのアドバンテッジ・パートナーズが取得し筆頭株主に)。その頃から、コメダはユニークで面白いビジネスモデルの企業だと感じていました。
具体的には他のコーヒーチェーンがセルフサービスでオフィス街を中心に展開しているのに対して、コメダは(昔ながらの客席まで運ぶ)フルサービスを提供し、主に住宅地に出店していた点です。実際に投資を検討するタイミングになって詳しく分析したところ、競合が少なく、成長余地が非常に大きい点は見立て通りだと判断し、投資を決めました。
コメダの上場は、投資した当初から決めていたのですか。
加笠氏:当初から決めていたわけではありません。経営を支援する中で、コメダが成長を続けるには同業他社と組むよりも、単独で上場し全国で知名度を高めた方が良いと考えました。
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