事故原因は藪の中

 「我々は原因も分からないのに悪者にされ、ひたすら糾弾されている」。創業家の内部には、自分たちがむしろ被害者であるかのような意識があるように見えた。このようなタカタの論理は社外で受け入れられず、完成車メーカーとの間で再建方針を巡るすれ違いにつながった可能性もある。

 タカタは一貫して、創業家を中心に当事者間で合意すれば経営を再建しやすい私的整理を希望してきた。しかし、完成車メーカーは裁判所が関与する法的整理をタカタに求めてきた。このすれ違いは再建方法の決定の遅れにつながった。

高田会長は26日の会見で「我々の想定よりも完成車メーカーとの意見調整は複雑で、1週間で回答をもらえると思った案件が1カ月たっても返ってこないこともあった」と振り返った。完成車メーカーが部品の安定供給を受けるためには、苦しんでいるタカタを支援するのが当然という認識があったことがうかがえる。

同族経営だったタカタは高田会長が去った後、どこに向かうのか
同族経営だったタカタは高田会長が去った後、どこに向かうのか

 結局、今日に到るまで、事故が発生する原因の詳細は明らかになっていない。「専門家に任せた検証でも『再現性がない』という結果だった。未だに苦慮している」と高田会長は語る。消費者が最も求めている問題の核心は明らかにならないまま、タカタは新たな株主の下で再建への道を歩み始めることになる。