企業統治には問題残す

 本来であれば、有力幹部の突然の退任は経営への不安を高めるはずだが、孫社長の圧倒的なプレゼンテ―ション能力で株主の不安を、払拭した印象が強い。

 もっともアローラ副社長退任に至るまでの経緯は、日本を代表する上場企業として、反省が必要だろう。当日の株主総会ではアローラ副社長の取締役選任の提案が取り下げられ、7人の取締役が選任されたが、6月2日付けの株主総会招集通知には「第2号議案 取締役8名選任の件」として、アローラ副社長も含めた8人の取締役の再任を求める記載がされ、株主に送付されている。それを株主総会の前夜に撤回するというのは、株主に考える時間を十分に与えたとは言い難い。

 機関投資家向けに議決権行使のアドバイスを行っているISSの石田猛行エグゼクティブ・ディレクターは「利益の約3%にあたる報酬を渡してまで会社に招いたのにもかかわらず、これだけの短期間で退任するのは、そもそもの指名のプロセスがどうだったのかという問題も浮上してくる」と指摘する。

 ソフトバンクグループは、一部の投資家グループからアローラ副社長の実績や適性に疑問を投げかける書簡を今年初めに受け取っている。20日、ソフトバンクは調査の結果、アローラ氏に何ら問題はない、と発表したばかりだ。

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