日系メーカーがホットスタンプを使わないワケ

フランシスコ・J・リベラス氏
ゲスタンプ・オートモシオン会長兼CEO(最高経営責任者)
1964年生まれ。53歳。ゲスタンプの創業を推進し、1997年の創業時から代表取締役を務める。同族会社ACEKの社長のほか、ゴンハリ・インドゥストリアル、CIEオートモーティブなどの理事を兼任する。

事業戦略上の日系自動車メーカーの位置付けは。

フランシスコ・リベラスCEO:日系自動車メーカーの世界シェアは約30%。それに対し、当社の日系メーカーへの売り上げ割合は7%に過ぎません(2016年12月期実績)。まだまだ拡大できるポテンシャルがあるということです。

日系メーカーの割合が少ないのは、日本の自動車産業が持つ「ケイレツ」文化によって、外資の参入が難しいからでは。

リベラスCEO:ご指摘の通り。日系自動車メーカーの関連企業は競合であり、競争力も非常に高い。ただ、我々にも武器があります。その一つが技術力であり、もう一つが全世界で製品を提供できる地理的なアドバンテージです。十分、協力関係を築けるでしょう。

 技術力の一つがホットスタンプです。車体の軽量化と安全性を高める有力な技術ですが、まだ日系メーカーは十分に活用できていません。

その理由は。

リベラスCEO:断定はできませんが、私の考えでは日系メーカーは日本の鉄鋼メーカーとの付き合いが深く、軽量化や強度アップに関して鉄鋼メーカーとの取引の中で検討してきました。いわゆる「ファーストチョイス」は鉄鋼メーカーの技術の中にあったでしょう。

 我々はホットスタンプの第一人者です。実際に有効性が高いという認識がグローバルで高まってきました。今が分水嶺と言えるでしょう。日系メーカーの利用率も今後、伸びていくはずです。

ゲスタンプの日系メーカーに対する営業力が弱かったという面もあるのでは。

リベラスCEO:ご指摘の通り、我々のマーケティングが弱かったのかもしれませんね。否定はしません。今回、研究開発センターを開設し、来年、工場を立ち上げます。それだけ我々もポテンシャルを感じているのです。三井物産の知見も生かしていきます。