決済アプリも普及

 店舗以外のピックアップポイントは昨年末の600カ所から今年の終わりには1000カ所になる見込みだ。レジでの精算の手間を大幅に省く決済アプリ「ウォルマート・ペイ」もクレジットカードやデビットカードに次ぐ支払い手段になっている。ウォルマート・ペイは、買い物の際にレシートのQRコードを携帯のカメラで読み取れば、その場で決済が終了するというアプリである。

 5月には「Easy Reorder」というサービスも始めた。これはピックアップサービスの一種で、購入頻度の高い商品についてアプリ上で再注文すると、店舗で事前に商品を確保してもらえる。ウォルマートのスーパーセンターは巨大なため店内を歩き回るだけでもかなりの時間がかかる。定期的に購入する商品を買い物かごに入れる手間が省ければ、忙しい主婦の時間は大きく節約できる。

 「所有するすべての経営資源を利用して勝つというのがわれわれの計画だ」。ウォルマートCEOのダグ・マクミロンは総会後の質疑応答でこう述べた。実店舗の既存店売上高とeコマースの両方が伸びているということは、ウォルマートが進めるシームレス・ショッピングが奏功しているという証左。ロアというピースを得たことで、ようやく目指すべき方向が固まったように見える。

 裏を返せば、ここで実店舗とeコマースを融合させた新たな成功モデルを作らなければ、グロッサリーなど既存スーパーの領域を侵食し続けるアマゾンとの戦いには勝てないだろう。アマゾンは彼らのやり方でラストマイルの配送を効率化しようとしており、ウォルマートに残された時間は恐らくそれほど多くない。その間にどこまで先に進めるか。最後の戦いが始まろうとしている。(敬称略)