「もっと明るいニュースを」と襟を正す英国メディア

 先に引用したイブニング・スタンダード紙は田野岡くんの両親が、今後ネグレクトで起訴される可能性に言及している。また、上記ガーディアンの記事に反応したフェイスブック利用者からも、両親の刑事責任を問う声が多数明記されている。

 しかし、英国メディアや国民の全てが親のネグレクトの可能性に憤慨している訳ではなく、奇跡的な生還のニュースを歓迎する声もまた多い。

 ガーディアン紙に至っては、田野岡くんが無事だったことが心底喜ばしいとして、こんな英国発のコラムを掲載している。

 「田野岡くんが誘拐もされず、殺害もされず、熊にも食べられずに無事でいたことは、今朝多くの人たちを笑顔にした。(中略)田野岡くんのストーリーは、私たちが『24時間ニュース中毒文化』である今を生きる中で、結果が良かったことに遭遇することは稀だと気づかされる。その代わり、ニュースメディアはぞっとするような、毒々しい、邪悪なネタを強調して顧客を、さらには利益を増やそうとする。その結果生まれるのは、世界が暗く悲嘆に満ち、良いことが殆ど起こらないという、歪んだ視点である。(中略)私はかつて同僚から、精神衛生上効果的な3つのことは、アルコールを断ち、運動をし、ニュースを読むのをやめることだと言われたことがある」

 このコラムニストは、つい3日ほど前まで田野岡くんに関して最悪の事態も覚悟していたと言い、こうした「良いニュース」を既存のメディアはもっと発信すべきだと指摘した。今回の小2行方不明事件は、英国のメディアのあり方を考える機会にまで発展した模様だ。