習近平氏の国家主席就任以降、中国は言論を厳しく統制する姿勢を強めている。5月には、著名企業家であり、微博(ウェイボー)で3700万人以上のフォロワーを抱えていた任志強氏が「党の政治規律に著しく違反した」として、中国共産党員として1年間の謹慎となる処分を受けた。

 今年2月、習国家主席が中国国内メディアを視察した際に「官製メディアは党を代弁しなければならない」と発言したことに対し、任氏はウェイボー上で「人民政府はいつ党の政府に変わったのか」などと厳しく批判。当局は同氏のアカウントを閉鎖した。

人権への質問で気色ばんだ王毅外相

 今月1日にはカナダで記者会見を開いた中国の王毅外相が、中国の人権問題に関連する質問をしたカナダ人記者に対し、「中国の人権状況をもっとも分かっているのは中国人だ」などと激しく反論したことも話題となった。

  また中国の人権問題を扱うサイト「維権網」は6月4日までに10人が逮捕されるなど、人権活動家や天安門事件関係者の計50人が軟禁状態に置かれたり、行方不明になったりといった影響を受けたと伝えている。

 中国本土でますます強まっている言論統制は、香港の言論の自由にも影響を及ぼしている。天安門事件は、中国の民主化を求める学生運動が発端だった。中国本土の影響が強まり、自由が変容しつつある香港の一部の人々にとっては、天安門事件は現在の問題と直接結び付くものなのだろう。その一方で、追悼集会の参加者が減っている現象は、香港が置かれている厳しい立ち位置を象徴しているとも言えそうだ。