パナソニックの北野亮専務は5月31日、完全子会社化を目指し株式公開買い付け(TOB)中のパナホームと木造住宅事業を強化するなどの連携策を明らかにした。新築戸建て市場で国内シェア3位を目指す。だが、TOBをめぐっては、大株主の海外ファンドが反対を表明。足元の株価は提案したTOB価格を上回っており、成立には不透明感も漂う。
「新築戸建てで3位、リフォームもトップ3を目指したい」。パナソニックの社内カンパニー、エコソリューションズ社の社長でもある北野専務は31日、パナホームとの連携に言及し、強調した。パナホーム株の54%を保有するパナソニックは現在、6月13日を期限とし、全株取得を目指すTOBを実施している。

パナホームの新築戸建ての国内シェアは現在、7位にとどまる。「木造住宅をほとんどやっていないことが根本的な要因だ」と北野専務は指摘する。パナホームの主力である鉄骨住宅は、国内一戸建て市場全体の15~20%にとどまる。逆にいえば市場の大半を占める木造住宅に力を入れれば、シェア上昇につながるというわけだ。
エコソリューションズ社は傘下に、契約工務店向けに木材を供給する「パナソニックESテクノストラクチャー」のほか、マンションなどを施工する「パナソニックES建設エンジニアリング」を持つ。テクノストラクチャーの契約工務店が建てる木造住宅は年間4000戸。一方、パナホームの17年3月期の戸建て建築実績は5747戸だった。両社を合計すると1万戸に迫る水準で、北野専務は「(さらに上乗せする)ポテンシャルはあり、トップ3に近付く」と自信を見せる。
リフォームでも協業
エコソリューションズ社とパナホームはリフォーム事業でも協業する。北野専務はパナホームのリフォーム事業について「提案力が少し弱い」と指摘。完全子会社化できれば、エコソリューションズ社が持っているショールームでの提案力やES建設エンジニアリングの施工能力を投入でき、「戸建てでトップ3になるのは絵空事ではない」と意気込む。
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