セブン-イレブン・ジャパンが日用品の販売強化を進めている。4月に品揃えを強化し、ナショナルブランド(NB)61品目を一斉値下げした。セブンイレブンは売り上げの7割を食品が占めており、日用品は稼ぎ頭ではない。なぜ今、日用品の強化なのか。商品本部長の石橋誠一郎取締役に聞いた。

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日用品の販売を強化している理由は何ですか。

 商品構成を考えるとき、いつも「近くて便利」という理念と照らし合わせています。食品では、働く女性の増加で自宅で食べる「中食」のニーズが高まっています。たとえば揚げ物は、調理に手間がかかるからこそ近所で買って自宅ですぐ食べられたら便利ですよね。

 では日用品はどうでしょうか。顔を洗うにしても歯を磨くにしても、日用品って食品と同じくらい毎日使うもの。ところがセブンイレブンでの販売はこれまで少なかった。

インタビューに応じるセブン-イレブン・ジャパン商品本部長の石橋誠一郎取締役(5月、東京都内)

「近くて便利」は日用品でも価値に

なぜですか。

 コンビニに置いている日用品が、小容量・少数パッケージが中心だったからでしょう。トイレットペーパーなら4ロール入りとか、多くても8ロール入り。オーラルケア商品でも小さく携帯しやすいパッケージが多かった。私たちは従来、お客さんがコンビニで日用品を買うのは「間に合わせ」のためと考えていたのです。

自宅で在庫を切らしてしまったときとか、出張先でとか。

 はい。ところがトイレットペーパーでいうと、お客さんは普段12ロール入りを買っているわけです。圧倒的に。だから今回は大容量の商品を増やしました。セブンイレブンを「間に合わせで日用品を買う場所」ではなく「普段から日用品を買う場所」に変えたのです。日用品には、重いものも、かさばるものも多い。日用品でも「近くて便利」は価値になるはずなんです。

 ここで大切なのが価格です。どんなに品揃えを市場ニーズにあわせて見直しても、やはりお客さんの頭のなかにはスーパーやドラッグストアの価格があって、「コンビニって高いよね」と考えている。そこでナショナルブランドの売れ筋61品目は値下げして、マーケットの実勢価格に近づけました。

12ロール入りのトイレットペーパーの取り扱いを拡充し、目立つ位置に置いた(5月下旬、東京都内のセブンイレブン店舗)

当たり前のことを実行しただけのようにも聞こえます。

 12ロール入りのトイレットペーパー、頭の中にはあったんです。けど、やはり大容量のパッケージは棚の面積をとるので効率が悪いという考えが先に来ていた。それに、そもそも品揃えの見直しに気づいてもらえていないこともあったのです。

 そこで今回は思い切って、売り場自体を変えました。大容量・多数パッケージの日用品を目立つ位置に配置して、一方で電池や文房具など、それこそ「間に合わせ」で買われる商品は取り扱いを減らしたのです。メリハリをつけて、お客さんに「日用品もコンビニ」と認識してもらえるようにしました。