米中悪化で政治カードにも

 そこに今年になって新たに政治的な要因が加わった。米トランプ政権の保護主義的政策により米中関係が悪化し、米ファンドが主導する今回の案件を中国側が政治カードとして使おうとしたからだ。

 実は独禁法そのものを審査する中国当局は、4月中に認可の判断を下していた。ここまで決着が長引いたのは政府高官が承認書類にサインをなかなかしなかったから。米中関係も足元ではやや融和に傾き、政治カードとしての意味合いが薄れたことでようやく正式に承認された。

 ただ、中国当局の買収承認も、東芝にとっては再生のスタートラインに立ったにすぎない。東芝は収益への貢献度が大きかった東芝メモリに代わる新たな収益源を早急に探さないと、再建計画が立ちいかなくなる。

 一方、日米韓連合は巨額の設備投資をしながら競争の激しい半導体業界を生き抜かなければいけない。売却が認められるまで宙ぶらりん状態だった東芝メモリをしり目に、ライバルは技術開発や設備増強を進めてきた。東芝と東芝メモリの両社からは今後も目が離せない。