11日の決算発表会見で、トヨタ自動車の豊田章男社長は2017年3月期について、「私達の意志が本物かどうかが試される年」と表現した。

「今年に入って潮目が変化している」と語った豊田章男社長(写真:Bloomberg/Getty Images)

 トヨタはこの1年だけでも、ダイハツ工業の完全子会社化や、今年4月からのカンパニー制への大がかりな組織変更、AI(人工知能)の研究開発に特化するトヨタ・リサーチ・インスティテュートの設立など、これまでにない取り組みを相次いで打ち出している。

 足下の業績が減速しても、そうした「攻めの姿勢」を貫き通す。豊田社長の発言にはそうしたメッセージが込められている。

 2016年3月期、トヨタは営業利益2兆8539億円、純利益2兆3126億円を記録。日本やアジアなどでの販売が不振で、連結の販売台数は前期比29万台減の868万台と落としたものの、為替変動の追い風を受けそれぞれ過去最高を更新した。

 その分、2017年3月期の業績見通しでは反動が大きくなる。連結売上高は前期比1兆9000億円減の26兆5000億円、営業利益は同1兆1500億円減の1兆7000億円と、実に4割の減益を見込む。

 日本やアジア、欧州市場では販売増を計画しているものの、為替変動の影響はとてもカバーできない。前提となる為替レートが1ドル=105円(2016年3月期は1ドル=120円)、1ユーロ=120円(同133円)と大幅に円高に振れる。為替変動だけでも営業利益ベースで9350億円もの減益要因となる。

 リーマンショック後の2009年3月期には、前期の営業利益2兆2700億円から一気に4600億円もの営業赤字に転落した。それ以来の大幅な減収減益となる。