強化領域として白物家電を挙げていますが、この領域は海外メーカーも強いです。日本メーカーの白物競争力弱まっているなか、どう対抗していくのでしょうか。
津賀:それはもう、真剣にやることですね。今まで真剣みが足りなかったと思います。
海外の白物、特にASEANの白物を伸ばすと言うことに関しては、これまで真剣にやっていたとは言えないですね。真剣にやるためには、現地の客に本当に夢を与えて、手の届く商品を作らないといけません。手の届くワンドア冷蔵庫のシェアは高いけど、上のゾーンは日本の6ドア冷蔵庫をただ持っていったんですね。でもこれじゃ売れませんよね。
そうすると今までは量販店よりも小さな電気店が主たる市場だったんです。そういうところだとワンドア冷蔵庫でも良かったんですよ。でも、量販店にいくと、韓国のサムスン電子やLG電子の製品が並んでいる中で、うちのラインナップは極めて貧弱でした。ですので、本気でラインナップを強化していこうと考えました。昨年マレーシアと中国に家電の統括拠点を作ったのはそのためです。現地のエンジニアの組織力を強化し、現地主体で動いています。マーケティングでも日本でやっていた人を送りこんで、テレビCMを増やすなど真面目に取り組んでいます。
欧米で白物のM&Aも検討
市場と販売の距離が遠かったので、アプライアンス社の中にマーケティングや販売者を取り込むことを日本や中国、ASEANで順番に進めています。開・製・販一体となる形を作ることで、「売れないのは製品のせいだ」「売れないのは、製品は良いのにあいつらが売らないからだ」とか、内部で言い訳できないようにしています。
アジアなどの新興国以外の市場ですが、ドイツなどの欧州や米国などで今から白物強化していくのはなかなか難しい。やるならばM&A(買収・合併)が必要だと考え、実際に検討もしています。
「今さら先進国?」と思われるかもしれませんが、欧州ではパナソニックのブランドイメージは高いんですね。そういうブランドイメージを使ってクルマなどの他の産業でビジネスを増やしているのは事実です。
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