時価総額の4割占める東京エレクトロン株

 TBSHDは東京エレクトロン株を同社発足時から保有しているが、両社にビジネス上の関係はない。いわゆる持ち合い株と呼ばれるものだ。日本でも企業統治改革が進んでおり、持ち合い株を正当化するのは段々と難しい世の中になっている。しかもTBSHDの場合、自身の時価総額が約4200億円なのに、そのうち保有する東京エレクトロン株の価値が約1600億円ということになるので、持ち合い株1銘柄だけで時価総額の4割を占める存在感を放つ。

 AVIはこの東京エレクトロン株という資産が有効活用される見込みがなく、資本効率の観点から無駄だと考えている。それにしても持ち合い株を現物配当しろという要求はかなり破天荒だ。持ち合い株を売却、現金化して配当などの形で還元しろと要求するのが一般的だからだ。持ち合い株をそのまま配ると事務手続きがかなり煩雑になることが予想されるうえ、配当金という現金なら欲しいが東京エレクトロン株はいらない、という株主も出てくることが予想される。AVIがなぜ現物を配るよう求めているのか詳細は不明だ。

 TBSHDは株主提案に反対するとみられ、今後はAVIが株主提案を引っ込めない限り、6月の定時株主総会に向けた委任状争奪戦が始まることになる。TBSHDの大株主には昨年9月時点で三井物産や三井住友銀行、三井不動産、NTTドコモ、パナソニックなどが名を連ねる。AVIの保有比率はわずかなため株主提案が可決される公算は現時点ではあまり高くはなさそうだが、この破天荒な提案をTBSHDの株主がどうとらえるか、見ものだ。