「保有する東京エレクトロンの株式を株主に配るよう求める」。TBSホールディングス(HD)が揺れている。英の大株主からこんな株主提案を突き付けられたからだ。株主提案自体は日本でも珍しくなくなってきたが、今回は他社の株式を現物で配るよう求めている点が異例だ。

 株主提案を出したのは英のアクティビスト(物言う株主)、アセット・バリュー・インベスターズ(AVI)。2017年にTBSHD株を買い始めたAVIだが、3月時点では2%弱のTBSHD株を持っていたもようだ。AVIはこれまであまりアクティビストとしての活動実績はないため知名度は低いが、日本でも豊田自動織機、パソナグループ、東芝プラントシステム、デジタルガレージ、タチエスなどに投資しているとみられる。

異例の株主提案を受けたTBSホールディングスの本社(写真:winhorse/GettyImages)

 6月のTBSHDの定時株主総会に向けて出された株主提案の内容は、TBSHDが保有する東京エレクトロン株の現物配当。TBSHDが保有する東京エレクトロン株のうち、4割程度をそのまま株主に配るよう求めているとみられる。TBSHDは昨年9月末時点で東京エレクトロン株を約770万株保有(持ち株比率は4.68%)しており、信託口などを除けば事実上、東京エレクトロンの筆頭株主だ。770万株の東京エレクトロン株を時価換算すると約1600億円にも達する。そのうちの4割、つまり300万株強、時価にして600億円超に相当する株式をTBSHDの株主に配るという形で還元しろというわけだ。