ペプシがコカ・コーラの「鬼退治」

注:飲料総研調べ
注:飲料総研調べ
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 背景にあるのが業界2位のサントリー食品の肉薄ぶりだ。長らく日本の飲料業界の頂点に君臨してきたコカ・コーラグループ。だが、飲料総研(東京都新宿区)の調べでは、1995年に約30%だったシェアは2015年に約27%となり、逆にサントリー食品のシェアは同期間で約11%から21%まで上昇した。

 要因となっているのがサントリー食品のマーケティング、販売面での積極的な攻勢だ。例えば炭酸飲料では「ペプシ」の広告宣伝で、鬼退治を目指す桃太郎の一行を登場させ、「王者コカ・コーラに挑むペプシ」とのイメージをお茶の間に浸透させた。コーヒー飲料でも「ボス」のユニークなCMや販促策を駆使してコカ・コーラグループの「ジョージア」を猛追しているほか、茶飲料ではサントリー食品の「伊右衛門」がコカ・コーラグループの「綾鷹」と激しい販売競争を繰り広げている。

 2015年には日本たばこ産業(JT)の自動販売機事業を約1500億円で買収。従来コカ・コーラグループが強みとしてきた自販機の分野でも販売数量を積み上げている。飲料総研の宮下和浩取締役は「昨年まではコーヒーなどの苦戦が続き、経営幹部の危機感は相当なものだったはずだ」と分析する。こうした危機感は米本社も共有しており、実際2013年に東日本のボトラー4社が統合して誕生したCCEJには、日本コカなど米本社の子会社で約3割を出資している。

スピード統合は米本社の意志か

CCEJのカリン・ドラガン社長らは水面下で統合の可能性を探ってきた
CCEJのカリン・ドラガン社長らは水面下で統合の可能性を探ってきた

 CCEJでは発足以降、重複している生産拠点の集約や営業体制のてこ入れなどを進めてきており、来るCCWとの統合はこうした組織改革が一段落し、一定の成果が上がってからと見られていた。そうした業界の見立てを上回るスピードでの統合の決断は、サントリー食品にこれ以上侵攻されたくないという米本社の意志の反映とみることもできるだろう。

 統合が実現すれば、サントリー食品など競合と同じ土俵でマーケティングや販売にヒト・モノ・カネを割くことができるようになり、コスト競争力の向上も期待できる。アナリストの沖平氏は「コカ・コーラが強さを取り戻せば、下位メーカーも含めた業界の再編が一層加速する可能性もある」と予測する。一方、飲料総研の宮下氏は「歴史的に日本のコカ・コーラはボトラーの再編の度にシェアを下げてきた。ブランド力の強化など具体的な戦略が必要になる」と指摘。盟主が存在感を高めるためにも、早期の統合実現とシナジー効果の創出が求められることになる。