国土地理院で、ドローンを利用するのは2015年9月の鬼怒川決壊以降、大規模なもので3回目。「通常の空中撮影では近くに寄れない距離で撮影できるため、例えば断層なのか亀裂なのかといったことが細かく判別できる。崩れているエリアなど立ち入れない場所の向こう側から撮影するといったことも可能だ」(国土地理院のランドバード事務局中村孝之氏)とドローンの利便性を改めて語る。今回は、撮影地からおおよそ30メートル地点から撮影をしたという。

 今回撮影したエリアは、飛行禁止区域に当たらないと判断されるため、法律上は無許可で撮影しても問題ないエリア。「念のため、関係各所に電話で連絡はした」(中村市)が、スムーズに利用ができたという。

現状のドローンはおにぎり20個しか運べない

 一方、医薬品や食料の配送に期待が高まるドローンだが、輸送についてはこれからと言えそうだ。一番の課題はプレーヤーの不在だろう。上記の「調査」などで利用する企業や団体は、2012年頃から検証を始め、実証実験を重ね、現在の利用に結びつけている。一方、輸送については、ヤマト運輸や楽天がようやく今年から実証実験を始めるところだ。

 楽天は、4月25日にもドローン活用の新サービスについて発表する。ゴルフ場でクラブハウスから飲料などをプレーヤーにドローンで輸送するサービスを展開する予定だ。サービス開始時は千葉県御宿町にあるゴルフ場1施設のみだが、楽天が運営するゴルフ場検索サイト「GORA」などと連携して今後も件数を増やしていく構えだ。「まずはドローンによる配送に慣れてもらうという狙いがある」(楽天)とし、自社の楽天市場でのドローンによる配送はもう少し先となる見込みだ。

 ドローン自体にも進化の余地がある。現在のドローンは、飛行時間が15分程度のものが多く、持ち運べる荷物も2~3kgが限界だ。例えば、おにぎりは1つおおよそ100グラム。2kgの重さを運べるとしても一度に20個程度しか運べない。子供用おむつは60枚前後が入った1パックで2kgの重さがある。運搬能力はニーズの高まりに応じて進化しており、長距離・長時間移動を可能にしたドローンは世界中で開発されているが、仕様にはまだ改良の余地がある。

 改正航空法が施行され、国内でのプレーヤーは実利用を一気に加速させている。今回の熊本地震で有用性が示せれば、災害の多い日本国内でドローンがさらに活躍する日はそう遠くないはずだ。