ダイキンがAIを部品選定に使う目的は、一発完了率の向上だけではない。現場にほとんど持参されることがない「不要な部品をあぶり出すことで、長期的には部品在庫の削減につながる」(福井部長)からだ。廃番になった機種の修理用部品を過剰に抱え込まずに済み、在庫を適正化できるというわけだ。

実はITベンダー、AI活用ノウハウも外販

 もう一つ別の目的もある。ダイキンは業務管理システムを販売する「ITベンダー」としての顔も持っているからだ。主力商品は品質情報をグローバルで一元管理したり、クレーム対応を効率化したりできる「SpaceFinder」。1999年からSpaceFinderの外販を始め、顧客には島津製作所や富士電機など大手製造業の名前がずらり。すでに600社以上が導入しているという。

 「顧客に納入した機器の保守を手掛けるメーカーはもちろん、自社設備のメンテナンス効率化に使う企業もある」と、ダイキンの臼井晋介電子システム事業部課長は話す。製品や設備は違えど、保守の実績データが蓄積されていれば、ダイキンが今回試しているAIの活用ノウハウをSpaceFinderの顧客企業が使えるようになる。すでに発電所向けなどで引き合いがあると言い、ダイキンは業務管理システムだけでなく、ABEJAのAIを使うノウハウも販売する方針だ。AIを活用した今夏の「一発完了率」が、熟練エンジニアのそれを超えられるかが、売れ行きの試金石となる。

■変更履歴
記事掲載当初、ダイキン工業の福井康浩フィールドサービス担当部長の名前を、本文中の一部で福田部長としていました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2018/4/20 15:40]