蓮舫氏が掲げた「提案路線」の一環というのが細野氏の主張だった。ただ、執行部の一員である細野氏の反執行部色の強い私案に対しては、「党がバラバラとみられるようなことがないようなマネジメントが求められている」(前原誠司元外相)などの声が相次いでいた。

 背景には、改憲に前向きな姿勢を打ち出すほど野党の選挙協力に影響が出かねないとの苦しい事情が見え隠れする。細野氏は辞表提出の理由について、「今の執行部は憲法改正に消極的で、私が執行部の一員としてとどまっているのはふさわしくないと判断した」と語った。

都議選候補が「離党ドミノ」

 もう1つ蓮舫氏ら民進執行部が頭を痛めているのが都議選への対応だ。台風の目になっている都民ファーストや体制を整えつつある自民、公明の狭間で苦戦が予想され、公認内定者らの「離党ドミノ」が続いているのだ。

 支持団体の連合は苦肉の策として、離党して都民ファーストから公認を得た組織内候補を支援することにした。蓮舫氏の周辺では「元民進」の議員が議席を守ることができれば、東京選出の参院議員でもある蓮舫氏の責任問題を回避できるとの思惑も透ける。

 だが、民進内では既に都議選後の「蓮舫降ろし」の動きが拡大するのは必至との声が広がっている。民進関係者は「細野氏の代表代行辞任で早くも号砲が鳴った感じだ」と漏らす。

 抜群の知名度と女性リーダーへの期待を追い風に2016年9月に代表に就いた蓮舫氏。「選挙の顔」や党勢回復の柱として期待されていたが、支持率は低空飛行が続く。(本コラム 2016年9月22日配信「『蓮舫』民進、船出に漂う不穏な空気」、2016年9月12日配信「民進党に足りない『泥臭さ』 参照)

 就任直後、「しっかりと選択してもらえる政党をつくる」と意気込みを語った蓮舫氏。だが、今の民進内には「政権交代なんて無理」「何を言っても有権者に聞いてもらえない」といったあきらめの空気すら漂っている。

 党勢低迷の背景は2つに大別できる。安倍政権の巧みな政権運営と、民進側の問題だ。

 前者については、民主党時代から「格差是正」を掲げてきた民進のお株を奪うような政策を安倍首相が中心課題に据えてきたことが大きい。

 賃金アップへの働きかけ、非正規雇用の処遇改善、長時間労働の是正、子育て支援などに取り組む姿勢をアピールすることで、保守層だけでなく野党支持層や無党派層の取り込みにつなげてきた。

 安倍政権が国政選挙で連勝し、高い支持率を維持しているのは、外交・安全保障面での安定感に加え、こうしたテーマ設定や「争点つぶし」が効果的だったことが挙げられる。