オアシスでは、ゴム製の物理ボタンを持ち手部分の上下に2つ配置。握った時、親指が当たる場所にページをめくるボタンがあり、楽に本を読み進めることができる。親指の関節部分に力を入れれば下のボタンも押せる。指をずらすことなくページを戻すことができた。

 ペーパーホワイトでは、画面をタッチ、あるいはスワイプすることでページめくりの操作をする。片手では操作しずらく、特にマンガを読む時は頻繁となり、面倒に感じることが多かった。そのストレスから解放される、というのが印象的だった。

 「物理ボタンを付けるというのは、ベゼル(枠)の部分に穴を開けることで全体の剛性が落ちるため、実はそんなに簡単なことではない」と語る玉木氏。それを今回、実現できた秘訣を、こう説明する。

 「航空防衛産業などで使われている合金のプレーティング技術をコンシューマー製品で初めて採用した。化学強化ガラスの剛性も従来で最も強い。そうした新技術の積み重ねで、薄さと強さを両立しながら、かつ物理ボタンを配置することが可能となった」

 なお、物理ボタンの使用用途は、ページをめくる、戻すという2つの操作のみ。「いろいろな操作を割り当てるのではなく、ページ操作以外は何もできない方が、本を読むことに集中できる」(玉木氏)。

タイトルも充実、ネックは価格

現行モデルとの画面表示の比較。左から順に、「Kindle Paperwhite(1万4280円から)」「Kindle Voyage(2万3980円から)」「Kindle Oasis(3万5980円から)」
現行モデルとの画面表示の比較。左から順に、「Kindle Paperwhite(1万4280円から)」「Kindle Voyage(2万3980円から)」「Kindle Oasis(3万5980円から)」

 アマゾンが日本で電子書籍事業を開始し、同時にキンドルの販売を開始した2012年秋、「キンドルストア」の日本語タイトル数は約5万冊だった。それから3年半。タイトル数は8倍以上の約43万冊まで増えた。ストアが充実する中、読書経験をさらに快適なものとしてくれそうな新型のキンドルは「買い」に思える。ただし、価格を除けば。

 オアシスの価格は、「PlayStation 4(アマゾン価格で3万5956円)」に匹敵する。いくら魅力的でも、やはり、簡単に購入ボタンを押すわけにはいかず、躊躇してしまう。

 この点について、玉木氏は「アマゾンでは、常に様々な選択肢を用意することを大事にしている。オアシスには設計開発費を含め膨大な開発コストがかかっており、むしろお買い得ではないかと思うが、(廉価版の)8980円のキンドルもご用意している」とする。

 ボタンを押すまでは、もう少し悩む必要がありそうだが、結局、買ってしまう気もする。果たして、消費者の反応やいかに。

Kindle Oasisのカバー色のバリエーションは3色。左から順に、「ウォルナット(茶)」「メルロー(赤)」「ブラック(黒)」。価格は、広告表示付きのWi-Fiモデルが3万5980円、広告表示なしのWi-Fiモデルが3万7980円、広告表示付きの無料3Gモデルが4万1190円、広告表示なしの3Gモデルが4万3190円(ともに税込み)
Kindle Oasisのカバー色のバリエーションは3色。左から順に、「ウォルナット(茶)」「メルロー(赤)」「ブラック(黒)」。価格は、広告表示付きのWi-Fiモデルが3万5980円、広告表示なしのWi-Fiモデルが3万7980円、広告表示付きの無料3Gモデルが4万1190円、広告表示なしの3Gモデルが4万3190円(ともに税込み)