クルマの売上高は減るが、交通サービス市場は拡大する

自動車メーカーはライドシェアで既存の収益モデルが破壊される懸念を持っています。自動車を所有しない人が増え、販売台数が減る可能性があるからです。

グリーン:これからクルマを保有するというモデルがなくなり、全体のクルマの売上高は減るでしょう。1台のクルマを多くの人で共有することになりますから。
 しかし、人々がクルマをより安く、使いやすくなることで、クルマを使う機会は増え、交通サービス市場自体は拡大していくでしょう。

 ライドシェアは社会的に3つの大きな意義があります。

 1つは社会的にみんなをつなげ、住みよい都市になります。
 2つ目は経済性です。クルマを所有すると大きな費用がかかりますが、乗った分だけ払うことができます。

 3つ目は環境配慮です。電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)は、初期投資がかかり回収まで時間がかかる課題があります。
 ただ、クルマのライフサイクルを考えると走行距離当たりの価格は安価です。最初の2~3年間に集中的にEVやFCVを使えば、投資の回収までの時間を短縮することができ、こうしたクルマの普及にも寄与できるのです。

 私は米ロサンゼルスで育ちましたが、大きな高速道路や駐車場がたくさんあり、クルマを中心に都市が設計されていました。

 ライドシェアや自動運転が普及すれば、1台のクルマを多くの人で共有するため、クルマが少なくなります。クルマを中心ではなく、人を中心とした都市になり、住みよい場所になるのです。

リフトは楽天のほか、中国のアリババ集団や騰訊控股(テンセント)、米ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツなどからも出資を受けている

ウーバーと違い、規制当局と協力しながら参入する

ライバルのウーバーは積極的に海外展開を進めています。リフトはどのような戦略を描いていますか。

グリーン:グローバルでは、地域ごとに最大手と提携しています。中国ではディディ・クアイディ、インドではオラ(ANIテクノロジーズ)、東南アジアでは(シンガポールの)グラブと提携し、これからもっと加えていきたいと思っています。

 間もなく、中国でもスマートフォンでリフトのアプリケーションを使って、中国のディディのサービスを利用することができます。

リフト自身が独自に海外展開することは考えていませんか。

ローガン:それぞれ市場で強いパートナーと組んでいますが、そうした企業がない市場には進出する可能性があります。