スシローの店舗網は現在、西日本が中心(写真は福岡市内の店舗)。今後は東京都心など東日本の開拓を進める。

経営改革では、日本航空やワールドの再建に携わり、2015年からスシローの社長を務める水留浩一氏の存在も大きいです。水留社長の経営手腕をどう評価していますか。

水留氏、現場主義で勘も良い

藤井:水留社長は現場主義で、よく店舗を回っています。経営者としての勘も良いと思います。

 スシローでは1皿180円や280円のメニューも用意していますが、継続した調査を受け、社内ではもっと高い価格帯のメニューをそろえても良いとの考えがありました。しかし水留社長は、顧客の単価が上がっても客数が減っていることを懸念し、顧客を取り戻すためベーシックに戻るべきであることを主張しました。

 また、うどんやラーメンなどのメニューはお腹にたまりやすく、客単価の低下につながっていました。そうして1皿100円という定番メニューを充実させる方針が決まったのです。

再上場の際の株式売却で、ペルミラのスシローへの出資比率は従来の約9割から3割弱に下がりました。経営体制に変化はありましたか。

藤井:ペルミラはそれまで5人の社外取締役を送っていましたが、上場を前にした昨年12月の株主総会で、これを私と外国人幹部の2人に減らしました。役員とは別に、現場に常駐していた人材も引き揚げました。

 一方で、30~40代の生え抜きの社員3人が執行役員に昇格しました。生え抜き役員の中から、水留社長の次のトップが出てくる可能性はあるのではないでしょうか。

 3割弱というペルミラの出資比率は当面変わりませんが、今後どこかのタイミングで出資比率は下がるでしょう。ただスシローは2017年9月期も、恐らく来期も成長しそうです。すぐに株を売る必然性はないと思います。

財務状況を見ると、自己資本に対して借入金やのれんの額が、他の回転ずしチェーンと比べても高めです。大株主としてスシローの財務状況をどう見ていますか。

藤井:ネット借入金のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)に対する倍率は、多い時に4倍を超えていましたが、今は3倍強に減っています。事業環境は良好で、借入金の比率は今後も徐々に下げることができるでしょう。

 回転ずしは景気動向にあまり左右されず、安定した収入が見込めます。のれんの減損処理を迫られるようなリスクは低いと考えています。