目標来場者数は年間200万人。確かにTDRの3000万人、USJの1460万人と比べてもケタが違いますね。

ヴァーニー:欧州や米国などにある既存の6か所のレゴランドの年間来場者数は150万~300万人です。日本はその中間の200万人を目標に設定しています。その達成のためにはもちろん名古屋近辺だけではなく、日本全国から来場者を呼び込む必要があります。来年にはレゴランドジャパンに併設してレゴランドホテルと水族館のシーライフを開業し、リゾート化することで滞在日数と来場者を増やす戦略です。

 レゴランドはターゲットを2歳~12歳の子供がいる家族層に限定しているのも、ディズニーやUSJとの大きな違いです。ほかの層が来場することは基本的に期待していません。年間1000万人以上もの規模の来場者までは期待していません。

 レゴランドがある米カリフォルニア州での調査では、6~8歳の子供に対する「どこのテーマパークに行きたいか」という質問で、ディズニーと同程度、レゴランドに行きたいと答える結果があります。それだけ、その層にはレゴの強いブランドが浸透しているということです。

中学生以上の若者、カップル、シニアなどは狙っていないということですね。

ヴァーニー:レゴランドは2歳~12歳の子供がいかに楽しめるか、何を学んでもらえるか、また、そうした子供を持つ両親が「ぜひ、子供をレゴランドに連れて行きたい」と思ってもらえるかという点に集中してアトラクションなどを開発しています。とにかく子供のための施設であるということを念頭において日々、運営、改善をしています。

 親子一緒になってレゴブロックで遊ぶという、長年培ってきたレゴのブランド力があります。最近では映像やゲームという要素も加わりました。想像力を働かせて何かを作るというインタラクティブ性、手作り感に加えて、スターウォーズ、バットマンなど映画のキャラクターのレゴで魅力を打ち出しています。

ニック・ヴァーニーCEO(最高経営責責任者)は「レゴランドはディズニーやUSJとは事業モデルが違う」と強調する(写真:早川俊昭)

 ファンラーニングと呼んでいますが、楽しみながら学べるアトラクションや仕掛けをいたるところにほどこしています。例えばドライビング・スクールというアトラクションは文字通り、レゴカーに乗って運転方法を楽しみながら学べる。レスキュー・アカデミーは親子で協力して消化活動するもの。ビルド・アンド・テストと呼ぶスペースは実際にレゴブロックで作ったものを、走らせたり、振動に耐えられるかなどさまざまな実験をして遊びます。
 私はディズニーの大ファンであり、USJのハリー・ポッターのエリアも好きです。ですが、一般論として、ディズニーやUSJでは、来場者は既にセットされたものを見ることになります。ディズニーのカリブの海賊やスペース・マウンテンなどをイメージしてもらえれば分かると思います。

 レゴランドはディズニーやUSJに比べてよりインタラクティブで、教育的要素が強い。ディズニーやUSJにあるようなスリル満点のアトラクションも必要ありません。それが大きな差別化だと考えています。これは教育熱心な親が多い日本では特に訴求力があります。

日本では少子化が進んでいます。子供をターゲットにしているレゴランドへの影響は今後、大きいと思います。

ヴァーニー:確かに日本では出生率が落ちています。それでも日本の人口は1億2700万人もあり、世界的に見ても富裕層が多いのが特徴です。テーマパーク市場においても、玩具市場においても日本は世界2位の規模があります。日本は米国、中国とともに事業拡大の余地が高い市場だと考えています。

海外からの来場者はどのくらい呼び込めると考えていますか。

ヴァーニー:レゴランドジャパンは当面、日本国内だけを来場者のターゲットにしています。例えば英国のレゴランドは90%以上が英国在住者です。また、米カリフォルニア州のレゴランドはほとんどがカリフォルニア州とその近隣に住む米国人などです。今後、韓国、上海、北京にもレゴランドをオープンしますが同様に、それぞれ地域の住民を来場者として想定しています。

 ローカライズはレゴランドの基本的な戦略です。それを象徴するのがレゴランドの中心にあるミニランドです。レゴブロックを使ってそれぞれの国の街並みや自然を再現したものです。レゴランドジャパンには地元の名古屋城やナゴヤドームをはじめ、東京や京都などさまざまな日本の建築物や自然の風景を展示しています。

 ただ、長期的には、レゴランドホテルをオープンするなどして10~15%の外国人を呼び込みたいと考えています。アジアの各地にレゴランドはできますが、世界には70億人以上の人口がありますから、外国人の来場もそれなりに期待できると考えています。