残された宿題は小型車

知名度や発信力で、ゴーン会長に劣るのではないか。

西川:どうしようもないですね(笑)。あんなにカリスマ性がある経営者はそういない。個人的な技量は及ばないにしても、「インテリジェント・モビリティ」の発信など将来に向けて引き継いだ仕事を進めていかなければいけない。

 (2011〜16年度の中期経営計計画)「日産パワー88」でやり残したことは、たくさんある。マーケットシェアは8%に及んでいない。インド、インドネシア、ブラジルなど新興国への先行投資も十分に回転していない。宿題が残っている。私がかなりのスピードでこなしていかなければいけない。LCV(小型商用車)のビジネスや、セグメントでいえば小型車のクラスも宿題。収益性を将来も担保していくため、小型車を含めどのマーケットでも稼げるようにする。

インドネシアの現地法人の社長を三菱自から招聘した。今後の三菱自との連携の方向性は?

西川:これまでも説明してきたように、十分双方にシナジー効果がある。日産のCEOとしては、日産が得をするように三菱自から貪欲にもらえるものをもらいたい。その1つが人材。特にアジアに関して豊富な人材プールが三菱自にはある。もちろん全部取ってしまうわけにはいかないが、許される範囲では積極的にお願いしたい。インドネシア以外についてもこれから検討する。

日銀の全国企業短期経済観測調査(短観)の業況判断指数も改善している。現在の経済環境をどう評価しているか。

西川:経済指標が示している状況は、誰がどう見ても堅調だ。新聞などで「イエスバット」と不安をあおる書き方もあるが、米国も中国も全体で見れば堅調だ。欧州の市場も想定以上に回復してきている。人手不足も、不安というよりは経済の好循環が始まったということだ。英国のEU離脱や米国の政権交代、欧州の首長選挙など不透明な事態はあるが、不確実性が以前にもにまして我々の経営に影を落としているかというかとそんなことはない。

ルノーでは排ガス不正疑惑も持ち上がっている。

西川:あくまでルノーの話で私が発言する立場にはないが、不正はないと思っている。実燃費のパフォーマンスが(カタログ燃費と比べて)悪いということは、当局から指摘を受けて改善に取り組んでいる。(独フォルクスワーゲンの不正で使われた、排ガス量を操作する)チーティングデバイスを使っていることとは別の話だ。