「どこの現場に行っても同じだけど、“Work package”という大きなバインダーをもらうんだ。そこに仕事の内容が細かく書いてあり、プロジェクトマネージャやエンジニアとミーティングをして働き出す。最初、オレは3号機の現場で働き出したんだけど、そのWork packegeが全然届かなかった。つまり、やることが決まっていないのに人だけ雇っていたんだよ」

原発労働者が生活をするトレーラーハウス
原発労働者が生活をするトレーラーハウス
ボーグル原発やVCサマー原発の周辺には作業員が寝泊まりするキャンプ場が数多くある。現場での作業は長期に及ぶため、作業員の多くは自身のキャンピングカーで現場を渡り歩くのだ。
クレーンオペレーターのラリー・ダンキン
クレーンオペレーターのラリー・ダンキン
ボーグル原発そばのキャンプサイトにいたラリー・ダンキンも、自身のキャンピングカーで現場を渡り歩いている一人。クレーンオペレーターのダンキンは1年半前にオハイオ州から来たという。「このクルマは10年くらい使っているよ。3万4000ドルだった。駐車代は月350ドル。そこの穴にパイプをつなげば排水できるんだよ。今の状況? 別に不安はないな。どうして不安になる必要がある。ウエスチングハウスが破綻しても、どこかが引き継ぐだろう。ここの現場が終わればオハイオに帰るよ」

フィリップ:「その後も、安全に関わるルールが変わるたびに作業が止まるので仕事にならなかった。毎週のように安全ルールが加わるんだ」

 「例えば、何か作業をしているときに今の安全基準に則った場合、どうすればいいのかと疑問に思うことがあるよね。上長に報告するんだけど、上長の意見が割れる。会議になる。ある人はOKと言っても、別の人がこれじゃあダメだよ、という。それで1日が過ぎる。仕事の中身はほかの現場と比べてもそう難しくないけど、ちょっと溶接するにも散々話し合う。10分の仕事をするのに丸1日かかる感じだった」

クレーンオペレーターのスティーブ・クラフト
クレーンオペレーターのスティーブ・クラフト
VCサマー原発の対岸に住むスティーブ・クラフト。彼自身、クレーンのオペレーターとしてVCサマー原発で働いている。「(WHのチャプター11の適用申請で)オレの4万ドルの401Kがどうなるかが不安だよ。他の連中は、“何で電子レンジが動かねえんだ”とかそんな話しかしていないが(笑)」

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