「バツ、ダメだ」「マル、次に進めよう」

 1人面接が終わるたびに、面接官は控室に戻ってきて、その場でスタッフに、次へ進めるかどうかの合否を告げる。合否を聞いたスタッフは、すぐさま学生に連絡する。進める場合は2次面接の時間設定をしなければならないからだ。

筆記試験の1時間半後には、事業部長クラスによる1次面接がスタート
筆記試験の1時間半後には、事業部長クラスによる1次面接がスタート

 ある学生は「やっと1次面接のプレッシャーから解放されたと思ったら、すぐさま2次面接の連絡が来て驚いた」と感想を漏らしたほど、次から次へとスケジュールが組まれていく。

 筆記試験から1次面接にはほとんどの学生が進めたため、1次面接も基準は緩いかなと勝手に思っていたが、やはり厳しかった。面接官は帰ってくるたびに「ダメだ」「残念…」と繰り返す。

【14:00】
 まだ1次面接をしながら、同時並行で2次面接がスタート。そうしなければ「1日」で終わらないからだ。2次面接の面接官は、ユナイテッドの役員クラスの2人。ここをクリアすれば、早川会長による最終面接へ進むことになる。

役員クラスによる2次面接に進めたのは6人
役員クラスによる2次面接に進めたのは6人

 1次面接に進んだ20人から2次面接に進めたのはわずか6人だけだった。

 「目標人数を達成するために内定は出したいが、そのために採用基準を引き下げるわけにはいかない。もしうちが欲しい学生がおらず、誰も採用できなかったとなると…」。採用担当者の表情が曇る。

 1日採用とはいえ、役員クラスが多く札幌へ足を運んでいることを考えると、なんとしても優秀な学生を見つけ出したいと、担当者は固唾をのんで面接官の合否を待っている。

 そんなことはお構いなしとばかりに、役員の面談でも厳しいジャッジが繰り返される。

 「残念だけれどダメだ」

【14:30】
 ようやく1人の学生が、最終面接へ進めるようになった。担当者が再び学生に電話をする。「この後15時20分から最終面接です」。やっと2次面接が終わったと思ったら、もう最終面接の連絡が来る。心が落ち着く暇もないだろう。

【15:20】
 厳しい状況の2次面接と並行して、今度は最終面接が始まった。とはいえ、最終面接に進める学生がほとんどいない。1人が面接を終えた後は、会長面接へ進める学生はなかなか来ず、時間ばかりが過ぎていく。

最終面接に進めたのは2人
最終面接に進めたのは2人

 最後にもう1人の学生が最終面接に進み、結果は2人とも合格。この日に2人の学生に内定を出した。内定が出たことに喜ぶのは学生だけではない。採用担当者も胸をなでおろしていた。

 採用活動が終了したのは17時過ぎ。過密なスケジュールの中で採用したユナイテッドの社員も一様にぐったりしていた。

 1日での採用について、内定した学生は「疲れました(笑)。とはいえ、一気に会社のトップまで話せたことで、会社を深く知ることができたと思います」と語った。

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