
警察はアブデスラム容疑者の逮捕と今回のテロの関連を認めていないが、逮捕に対する報復との見方が出ている。
「結局、テロリストの全容を把握するのは不可能だということ。アブデスラム容疑者を逮捕したことに対するテロ組織からの警告と受け取った方がいい」とロンドンに拠点を置くセキュリティコンサルティング会社の幹部は言う。
ベルギーのヤンボン内務相は22日、地元テレビの取材に対して、過激派の一部が欧州でテロを画策しているとの情報を当局が掴んでいたことを認めた。ただし、「これほど大規模だとは想定していなかった」。18日のアブデスラム容疑者逮捕の後、フランスのオランド大統領は「欧州にはまだテロリストの巨大なネットワークがある」と発言しているのだが。
モレンビークは、ベルギーにおけるテロリストの温床の一つと言われている。中東からの移民や難民が多く住む地区で、パリ同時テロ以降、一躍有名となった。この場所が今もIS関連の拠点となっていると見る専門家は少なくない。アブデスラム容疑者もこの地でかくまわれていた。
テロには徹底抗戦
ブリュッセル中心部で起きたテロは、EUの関連機関が集積するビルからも近かった。これらの建物で働くEU職員はすぐに別のビルへと避難。事件後、EU本部のビルにも警察の捜査が入った。
今回のテロ事件を受けて、欧州各国の首脳はテロとの徹底抗戦を訴えている。トゥスクEU大統領は「ブリュッセル、ベルギー、EUは一丸となってテロに対抗する」と一致団結することを宣言。英キャメロン首相は「ベルギーにはできる限りの支援をする」と約束するとともに、自国の防衛にも全力を尽くすことを表明した。オランド大統領も、「狙われたのは欧州であり、世界中のあらゆる人々に関係する問題だ」と、世界各国が協調してテロとの戦いに臨むよう呼びかけた。
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