「ハブ企業」が業界を支配する

 もう一つ見逃せないのは、世界の27の自動車メーカーが同社の半導体を既に採用していることだ。独フォルクスワーゲン、米ゼネラル・モーターズ、日産自動車などに製品を供給。自動運転の最新の開発動向と技術進化の方向性に関する情報を把握している。

 自動車メーカーと部品メーカーのピラミッド構造は崩れ、モービルアイのように多数の自動車メーカーと強いネットワークを持つ「ハブ企業」が生まれている。インテルはこうしたハブ企業がデータを武器に技術標準を確立し、業界で支配的な立場を築く可能性を視野に入れているようだ。

 同社日本法人の事業開発・政策推進本部ダイレクター、野辺継男氏は「(米配車アプリの)ウーバー・テクノロジーズのような会社がクルマの需要を最もよく把握し、完成車メーカーに新製品を企画・発注する時代が来る。産業構造の下克上だ」と指摘。インテルとモービルアイは独BMWとも自動運転車の開発で提携する。BMWの自動運転開発責任者、レネ・グロスピーチ氏は「インテルとモービルアイの車載コンピューターが業界標準になる可能性がある」と語る。

 こうした変化の中で苦しい立場に追い込まれているのが日本勢だ。車載半導体大手のルネサスエレクトロニクスでも巨額買収を仕掛ける体力はなく、提携相手も限られている。世界的な再編劇は日本メーカーに難しい課題を突きつけている。

(日経ビジネス2017年3月27日号より転載)

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。